マーケティングから考える、年収をアップさせるために必要なこと


年収を上げるために知っておくべきこと

年収を上げるためにはどうしたらよいか、と相談されることが多々あるが、求人サイトの年収の高い求人に飛びつく前に、叩き込んでおいたほうが良い考え方がある。

年収を上げるということは、企業のそのポジションに対するニーズを見極めて自分を高く売る行為であるため、マーケティングに近い考え方が重要だろう。

 

マーケットを見ても人材市場に関しては、ある程度の需給が反映された経済合理性で成り立っているので、いかにニーズが高まるポジションに対して、自身のスキルを磨いて価値を極大化させて売り込むかが重要となる。

 

職業の年収は、「希少性」と「難易度」によって決まる

 

「希少性」・・・市場のニーズに対して、その労働力を提供する人材の供給が不足している、もしくは今後不足する可能性があるか??

「難易度」・・・その労働力を提供するにあたり、特殊なスキル/資格/才能がどれだけ求められるか??

 

例えば、3大士業といわれる医師、弁護士、公認会計士にこのフレームワークを当てはめてみると、確かに、と思えてくるはずだ。

 

医師の年収は上がり続けている

医師は、高年収職業 (希少性=高 難易度=高)である。

高齢化により、病院に医者が足りない状況が慢性化しており、かつ医者自身がキャリアパスを医局に左右されずに選択できる時代になってきている。

東大医学部の若者と話すと、どうやら医者/研究員以外にも、最近は投資銀行や外資コンサルやベンチャー役員になる医学生も増えてきているそうだ。

 

また、一人前の医者になるためには、6年の医学部での学習+研修期間が必要となり、更に最近では専門医という研修終了後に取得する資格も設立されている。

巨額の投資コストも発生するため、難易度がものすごく高いといえるだろう。

 

今後更に高齢化でニーズが高まり、かつ医者の職業選択の自由度が高まっている。

しかも、一人前の医者を育てるのにかなりの年月と投資コストが必要なる。

結果、医者の年収は高騰している。

地方に行くと極端に医者が少なくなるらしく、年収3000万などはザラだ。陸の孤島ともなると、中には年収5000万という求人もあるらしい。

 

バイトも時給1万が相場だ。1日働けば日給8万である。

なので、バイトだけやっていればベントレーが買えてしまう恐ろしい職業である。

 

医者の若者と接する機会がよくあるが、年収を気にして職業選択している人にあまり出会わない。

恐らく医師免許さえあれば、お金を稼ぐ手段はいくらでもあるという安心感が根底にあるのであろう。

 

弁護士の年収は下がり、稼げない時代に

 

弁護士は、中年収職業 (希少性=低 難易度=高)である。

弁護士と聞くと高年収職業の代表格というイメージがあるが、それは昔の話である。

今高年収を稼げている弁護士は、大手有名弁護士事務所で対大手法人向けサービスのポジションとして採用されパートナーまで昇進できた人や、独立して配下の弁護士を抱え、事業としてスケールさせることに成功した弁護士など一握りだろう。

 

弁護士が多くなり過ぎた

なぜ弁護士が稼げなくなったか、その背景には、希少性=低になってしまったからである。

なぜそのような状況になったかというと、日本も米国のように訴訟大国となり、弁護士のニーズが高まると見通しを誤り、弁護士資格者を増やしすぎたせいである。

なので、現状は需要に対して供給過多になっている状況である。

 

それでは今後、弁護士の量が増えたのでサービスの単価も下がり、訴訟がしやすくなり需要が今後増えるか、と言われるとそのトレンドは日本人の国民性からしても無さそうだ。

 

良いか悪いか、ゼロかイチかの欧米人と異なり、ある程度お互いミスを許容して、目をつぶるところはつぶったほうが日本人は心地よいのである。

 

司法試験の難易度は高いため、割が合わない職業とも言える

難易度は旧司法試験制度と比較して易しくなったが、依然として高い。

弁護士になるには、大学の4年間と法科大学院の2年間を要するが、1発で試験に受かる保証もない。

また、法科大学院の学生の中では、「三振」という用語があるらしい。

3回試験に受けて落ちた場合、そこで終了という制度があるので、3回で決めなければならない。大学院に通うコストも鑑みると、弁護士資格はまだまだ難しい資格だろう。

大半の弁護士の年収は400万~1000万くらいに分布していると考えられるが、債務整理専業の弁護士など400~600万程度の大企業の社員と変わらない年収で生活している弁護士も相当数いる。

コモディティと化した弁護士の年収は、下落を続けているのだ。

 

公認会計士は、中年収職業 (希少性=中 難易度=高)である

 

公認会計士と聞くと、何をやっている職業かよく分からないという人も多いが、そういう方は、会計士のコミュニティメンバーが書いてくれた、「税理士との違いは?公認会計士の仕事内容を詳しくまとめてみた」の記事を参照してもらいたい。

 

希少性は中と評価した。なぜなら、高い年収を稼げる希少性の高いポジションはあるが、そこには一握りの人しか辿り着けないからである。

 

監査法人に勤務した場合、年収は800万程度

 

公認会計士の試験に合格した後、大抵の人が監査法人に勤務するわけだが、そこでの年収は大体30歳インチャージで800万程度である。

企業がある以上、監査業務は必要となることから需要は枯れないが、監査法人も高齢化により上が詰まっているし、年収も大企業とそこまで大差ない。

業務内容も内部統制対応がメインとなるため、決して楽しい業務ではないことから希望が持てずに監査法人を辞める若者が大量発生している。

 

監査法人を辞めた後の公認会計士の年収

 

監査法人を辞めた後、彼らがどこに移るかというと、

 

コンサルティング会社・・・年収600~1200万

事業会社の経理・・・年収400~800万

投資ファンド・・・年収800~2000万

IPO前のベンチャー・・・年収600~1200万+ストックオプション

独立・・・年収は測定不能

 

といったオプションとなるが、大抵の会計士はなかなかいいポジションにつけない。

 

年収の良い投資ファンドは狭き門だし、IPO前のベンチャーはCFO候補として採用する場合、投資銀行出身者、CFO経験者と競合するため、監査法人で監査業務だけ経験してきた会計士では太刀打ちできない。

 

公認会計士が独立するのは、厳しい。

 

というのも弁護士と異なり、個人事業主相手だと税理士と変わらないため単価が安いし、法人相手に公認会計士の資格を生かすにしても、監査が発生する企業は中規模に成長しないとニーズが発生しない。

 

知識だけではなく、営業力がなければ仕事を得ることはできない

 

また、監査法人で勤務するだけであれば営業活動は不要だが、独立すると個人で営業を取ってこなければならない。

中規模の企業が、いきなり監査法人を辞めた会計士を相手にするかと言われると、もう既に小規模の頃に他の熟練した会計士が目をつけてしまっているので、入り込むのは困難であろう。

 

いきなりIPO前のベンチャーの監査役になって、巨額の資産形成に成功した友人がいるが、経歴の設計が上手かったことと、彼自身の営業力が高かったことが要因として挙げられる。

公認会計士は座学だけ出来れば取得可能な資格であるため、内気で内向的な人が多い。独立していきなり営業して案件を取ってこれる会計士は一握りだ。

なので、稼げる会計士になるには、資格に加え、キャリア設計力+営業力+事業推進力が必要だ。

 

会計士試験の難易度は高く、今後合格者はさらに減ると予想される

 

大学の4年間を会計士試験合格を目標として費やして、予備校まで通ってという猛者が集まってそれでも10%程度の合格率だ。

また、金融庁が公認会計士の合格者数を減らす指針も打ち出しているらしく、より競争倍率が高まるであろう。

 

なので、公認会計士の人と話をすると、30歳で800万前後の年収で、仕事に関しても大企業の社員と変わらないようなボチボチという回答をする人が多く、せっかく努力して掴み取った難関資格も上手く活用できていない人が多い傾向にある。

 

どの職業を選択するかで年収は大幅に変わってくる

 

年収は、年齢、職務経歴、資格など様々な要因で年収は決定されるが、当たり前だがどの職業を選ぶか一番重要だ。

 

もう少しマクロな視点で引いて見ると、ミュージシャン、スポーツ選手、芸術家、事業家、投資家etc、様々なサラリーマン以外の職業が見えてくる。

それらにもこのフレームワークは当てはまる。

 

ドラフト1位の契約金が1億円であるのは妥当なリターン

 

野球選手でドラフト1位指名されれば、1億円といった巨額の契約金を受け取ることが出来るが、そもそも12球団合わせても12人しかドラフト1位の枠は無いし、特殊な才能が必要で、かつ10代の大切な時期に野球に心血を注ぐというハイリスクな時間の投資も行っている。

そう考えると、1億円というリターンも妥当だと思えてくるから不思議だ。

 

大半の人間がサラリーマンという職業に属すると思うが、サラリーマンという職業のカテゴリの中でも、このフレームワークは役立つ。

 

今後コンサルタントの市場価値は下落する?

例えば、今からコンサルティング会社に移って高い年収を期待するのは危険である。

 

アベノミクスで金融緩和が実施されてから、とにかく大量採用をコンサルティング会社は続けている。いつの間にかデロイトトーマツコンサルティングなどは、5年前は500人程度だったが、今は2000人近く従業員が膨れ上がっていると聞く。

 

昔は戦略ファーム1社100人程度、総合系ファームでも1000人いれば大きな会社というボリュームだったが、この数年で数倍に増えている。

コンサルタントがコモディティ化してきているため、大企業同様、上は詰まるし競合とのコンペも激しくなることから、利益が減って年収のアップサイドの要因が無い。ポストコンサルで高い年収を狙うにしても、転職市場にコンサルタントが溢れ返る。

 

ベースの仕事の型をしっかり鍛えたいという目的であれば、いい環境だと思うが、中長期的に高い年収を得るにはかなり厳しくなると予想している。

 

なので、現状の年収に踊らされずに、市場のニーズと自分自身の差別化を意識したポジショニングを取ることが、年収を上げる重要なポイントであることをお伝えしておきたい。

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■ この記事を書いた人

元戦略コンサルタント(サイト運営者)
元戦略コンサルタント(サイト運営者)
MARCH大卒→精密メーカーSE(3年)→総合系コンサルティング会社戦略部門(4年)→日系製造業事業再生(3年)

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